コロナウィルスの影響により、史上初の開幕延期となった「プロ野球」。
このままではシーズン中の開幕も危ぶまれていましたが、6月19日にセパ両リーグで開幕することができました。
例年の規定と違うのは、
- 当分は無観客試合(リモートマッチ)での実施
- 試合数は143試合から120試合に変更
- 延長戦は12回のイニングから10回のイニングに変更
- 交流戦、オールスターゲームの中止
- セ・リーグのクライマックスシリーズの中止
(パ・リーグは1位と2位のみで4試合おこなう)
開幕が延期になった分、規定も大幅に変更されました。
僕もプロ野球観戦が大好きな分、応援に制限があるのは大変残念ですが、コロナの感染拡大を考えればやむを得ないですよね。
早く観戦可能な状態になって僕も応援に行きたいです。
(余談ですが僕は阪神ファンです笑 あとDeNAも好きです)
野球について詳しい人もあまり詳しくない人もいると思いますが、
今回は何故セ・リーグとパ・リーグでそれぞれルールが違うのかについて解説していきたいと思います。
プロ野球の成り立ち
両者の違いを違いとその理由を説明する前に、そもそもどのような経緯でセパ両リーグが発足したのでしょうか。
その前にセ・リーグとパ・リーグの両チームを紹介してします。
【セントラルリーグ(セ・リーグ)】
- 阪神タイガース(兵庫)
- 横浜DeNAベイスターズ(神奈川)
- 広島東洋カープ(広島)
- 中日ドラゴンズ(愛知)
- 東京ヤクルトスワローズ(東京)
- 読売ジャイアンツ(東京)
【パシフィックリーグ(パ・リーグ)】
- 福岡ソフトバンクホークス(福岡)
- 千葉ロッテマリーンズ(千葉)
- 東北楽天イーグルス(宮城)
- 北海道日本ハムファイターズ(北海道)
- 埼玉西部ライオンズ(埼玉)
- オリックスバファローズ(大阪)
全12球団を紹介した上で次は発足の経緯を説明します。
元々、プロ野球は「日本野球連盟」という連盟で1リーグしか存在していませんでした。
ところが、1950年頃、毎日新聞社の球団、毎日オリオンズ(現在の千葉ロッテマリーンズ)がプロ野球への参入を希望しました。
この球団の参入によって球団ごとの意見が対立したことにより、2つのリーグが生まれました。
当時ライバルであった新聞社、中日ドラゴンズと読売ジャイアンツが毎日オリオンズの参入に猛反対をしました。
それでも、毎日オリオンズの参入について賛成の球団もあり、反対派と賛成派で、セ・リーグ、パ・リーグが出来上がりました。
よって、セ・リーグとパ・リーグはチームの強さや地域ではなく、当時の参入反対派がセ・リーグ、賛成派がパ・リーグ、という分け方で出来上がったリーグなのです。
セ・リーグは「セントラル(中央)リーグ」
パ・リーグは「パシフィック(太平洋)リーグ」
それぞれ、「自分たちが正当な連盟であり、主流である」という意味からセントラル、「国際的な視野を持つ」という意味からパシフィックと名づけられたそうです。
「DH制」の導入
セ・リーグとパ・リーグの規定の違いに「DH制」を導入しているかしていないかの違いがありますが、現在はパ・リーグのみ導入されています。
「DH(designated hitter)制」とは攻撃時に選手がピッチャーに代わって打席に立って打つことができる制度のことを言います。
本来、野球は各ポジションを守っている選手が打席に立って打つのがルールですがパ・リーグでは1975年からDHを導入しています。
では何故、パ・リーグだけ導入されたのでしょうか。
パ・リーグの人気を上げるため
プロ野球では「人気のセ・リーグ」と「実力のパ・リーグ」と呼ばれ、文字通り、セ・リーグは有名な球団が多く人気もあるリーグに対して、パ・リーグは実力が高いリーグとして呼称されていました。
パ・リーグの人気を上げるための施策として、この制度が設けられたのです。
DH制を導入するメリットとして、攻撃が期待できないピッチャーを打順に組み入れる必要がなくなったため、攻撃的なオーダーを途絶えることなくい組み込めるうになり、試合の緊張感が途切れないようにするためです。
本来、ピッチャーは投球だけに専念するポジションのため、打撃の練習はほとんどおこないません。
打席に立ったとしても送りバントか、わざと三振するケースが多いです。
なので、ファンとしては得点が入りそうなチャンスの場面でピッチャーに打席に回るのはいい気分にならないでしょう。
(二刀流(投手も攻撃も兼任できる選手)の大谷翔平選手などは例外ですが笑)
なので、どの打順でも盛り上がれるようにパ・リーグはこの制度を導入したのです。
セ・リーグが「DH制」を導入しない理由
以前セリーグの公式サイトにDH制を導入しない理由が書いていました。(現在は削除されています)
- 1世紀半になろうとする野球の伝統を、あまりにも根本的にくつがえしすぎる。
- 投手に代打を出す時期と人選は野球戦術の中心であり、その面 白みをなくしてしまう。
- 投手も攻撃に参加するという考え方をなくしてしまう。
- DH制のルールがややこしくファンに混乱をおこさせる。
- ベーブ・ルースやスタン・ミュージアルは投手から野手にかわって成功したのだが、そのような例がなくなる。
- 仕返しの恐れがないので、投手が平気でビーンボールを投げる。
- いい投手は完投するので得点力は大して上がらない。
- 投手成績、打撃成績の比較が無意味になる。
- バントが少なくなり野球の醍醐味がなくなる。
セ・リーグは「プロ野球の成り立ち」の部分でも少し説明しましたが、自分たちが正当な連盟であり、主流である連盟なので、伝統に重んじることを重視します。
なので、このことから伝統に則っておこなうべき考え方がセ・リーグにあるのではないでしょうか。
(これはBuuuniiiの本音です笑)
「クライマックスシリーズ」の導入
クライマックスシリーズとはセパ両リーグの上位3球団がトーナメント方式により、日本シリーズ(セ・リーグの1位とパ・リーグの1位が戦う試合)をかけて試合する制度のことを言います。
現在では、セパ両リーグ共に「クライマックスシリーズ」を導入しておりますが、元々はパ・リーグのみに適用された制度なのです。
とは言え、
「普通はペナント戦で(シーズン中の試合)で両リーグ優勝したチームが日本シリーズで戦うべきなのにどうしてそんなことするの??」
って思う人も中にはいるのではないでしょうか。
これには試合を運営する側ならではの理由があるのです。
消化試合をなくすようにするため
「クライマックスシリーズ」を導入した理由は「消化試合」を減らすためにあります。
年間143試合をおこなう中、終盤に向かうにつれて優勝チームも絞られつつあり、大体120試合目から130試合目の間で優勝チームが確定しますが、ここであなたに質問します。
「あなたは優勝チームが確定した後の試合を観に行きたいと思いますか?」
よっぽどのプロ野球好きや各チームの熱狂的なファンでもない限り、大抵の人は優勝前と比べて観に行きたいとは思わないでしょう。
そこで、導入されたのが「クライマックスシリーズ」です。
この制度により仮に優勝チームが決まったとしても、クライマックスの3位まで食い込めるチームもまだチャンスが残っているので、球場へ足を運びたくなりますよね?
また、運営側としても集客数によりお金の入り具合も変わっていきますので、双方のメリットもありこの制度を導入したのです。
パ・リーグは2004年にプレーオフ制度を導入したが、セ・リーグは2007年に(クライマックスシリーズ)導入しましたが、では何故両リーグに3年の差が生じたのでしょうか。
答えは、先程のDH制の説明でも少し言いましたが、セ・リーグは伝統を重んじる考えを尊重しておりましたが、連盟で議論を重ねた結果、消化試合削減のためにセ・リーグでも導入を決意したのです。
プレーオフ制度は1位から3位までのチームをトーナメント形式にして戦わせ、その試合を制したチームを優勝チームとして扱う。
一方でクライマックスシリーズは優勝チームが決定した後に日本シリーズ出場をかけておこなうトーナメント制の試合を言います。
まとめ
プロ野球もセ・リーグとパ・リーグによって規定が違う(過去に一部違っていた)のにもちゃんとした理由があるのです。
今日のポイント
- 元々1つのリーグで運営していたが、毎日オリオンズ(現在の千葉ロッテマリーンズ)の参入をきっかけに二分化した
- DH制はパ・リーグ全体の人気活性化のために導入
- クライマックスシリーズは消化試合削減のための対策として採用
最後にプロ野球観戦に一度も行かれたことのない人へ一言だけ言わせてください。
「野球観戦はテレビで観るよりも100倍楽しいです!!」
試合観戦が可能な状況になりましたら皆さんも是非、球場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
それでは今回はこの辺で。
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